『レクイエム・フォー・ドリーム』
REQUIEM 4 A DREAM
配給:ザナドゥー
エレン・バースティン
ジャレッド・レト
ジェニファー・コネリー
マーロン・ウェイアンズ
クリストファー・マクドナルド
ルイーズ・レッサー
ショーン・ギュレット
監督:ダーレン・アロノフスキー
製作:エリック・ワトソン
パーマー・ウェスト
脚本:ヒューバート・セルビーJr.
ダーレン・アロノフスキー
撮影:マシュー・リバティーク
美術:ジェイムズ・チンランド
音楽:クリント・マンセル
衣装:ローラ・ジーン・シャノン
2000年/アメリカ/1時間42分/カラー/ヴィスタ/SR-D
監督のダーレン・アロノフスキーは『π』がデビュー作の鬼才。本作が2作めとなるが、これはドラッグを扱ったストーリーである。原作は約20年前の「夢へのレクイエム」というヒューバート・セルビーJr.の作品。アロノフスキーはハーバードの図書館でこれを見つけ、製作者のエリック・ワトソンもアロノフスキー所有の同作を見て映画化に踏み切ったという。主演のエレン・バースティンは『アリスの恋』でアカデミー賞主演女優賞を受賞、同作でもオスカー・ノミネートされた名女優。彼女の息子を演ずるのはジャレッド・レト。『シン・レッド・ライン』や『アメリカン・サイコ』などにも出演している彼はこの作品のために25ポンド(約11キロ)の減量を行った。それは自身の役の内面的渇望を反映させるためであったが、見事に表現されている。
老いたサラ(エレン・バースティン)はTVを見ながら、お菓子を頬張るのが唯一の楽しみ。ある日、TVの大好きなダイエット番組への出演依頼を受けるのだが、彼女はお気に入りの赤いドレスを着ることができないので、ダイエットをすることにする。しかし、薬漬けになる彼女は使用法を破り、そのために中毒と化していく。一方、彼女の息子、ハリー(ジャレッド・レト)は友人と2人でドラッグの売人をして一儲けをたくらんでいるが、彼もまたドラッグ中毒となり…。
映画の前半部はコミカルなタッチで進んでいく。サラとハリーのやり取り、2人の周りの友人との行動などシニカルな笑いを見る者に与えてくれる。また映像が高速で連続するドラッグ使用の場面(監督は“ヒップホップ・モンタージュ”と呼んでいる)など、怖さより面白さが優先しているのである。ところが!後半部にそれをくつがえす展開が待っていようとは…。ドラッグ中毒になるとどんな未来が待っているかをこれでもか、これでもかと映像で表して行く。監督はドラッグ禁止を訴えるつもりはないのかもしれないが、この作品は充分にドラッグの恐ろしさを表現している。
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