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『北京の天使』
天堂回信/An answer from heaven

配給:シネマ・ルネサンス/ワコー


キャスト スタッフ データ
シー・チェン
リー・ティン
シャオ・シオン
監督:ワン・ジョルジョン
脚本:ホー・グオプー
撮影:イエン・チュンション
美術:シャオ・ルンガン
音楽:チャン・チェンイー
1992年/中国/90分/カラー/ビスタビジョン/35mm

イントロダクション
 『本作は、郵便配達の祖父と6才の男の子・チェンチェンの物語である。』
  両親は大切な一人っ子を北京に残しての海外赴任だ。この祖父を演じる李丁(リー・ティン)とチェンチェン役の(シー・チェン)の、漫才のような掛け合いが実に楽しい。胡同(フートン=北京の古い住宅街)など北京の美しい街並を、心優しいおじいちゃんが手紙を運ぶ。自我に目覚めはじめた可愛い盛りのチェンチェンがいつも一緒だ。そして、凧の糸にくくりつけた天国への手紙遊び、二人の、男の友情にも似たユーモラスな交流がこの映画の第一の魅力である。中国では結婚しても共働きが多い。この映画のように、子供と分かれて親が海外で働く家庭も上流では珍しいことではない。一人っ子政策が続いて、都会では子供の少ない家族が普通になった。この結果、過度に甘やかされたり、同年齢の遊び相手が少なくて寂しがったり、子供たちにとって良いことばかりではない。『北京の天使』は、現代中国におけるこのような家族の問題をさりねく描いている。そしてこのことは、中国のみならず日本を含めた多くの先進国で、社会問題化してきている。こうした視点をもったことが『北京の天使』のもう一つの魅力となり、良くできたホームドラマ以上の作品として、国際映画祭での連続受賞という結果に結びついた。

ストーリー
 中国・現代の北京。6才のチェンチェン(シー・チェン)は郵便配達をしているイエイエおじいちゃん(リー・ティン)と2人で暮らしている。貿易の仕事をしている両親がベルギーに赴任しているためだ。しかし、チェンチェンが寂しがることはない。イエイエはとても優しいし好きなことは何でもさせてくれる、幼稚園がお休みの日は郵便配達にもつれていってくれる。心配ことといえば、イエイエの心臓が悪いくらいのものだった。だが、そんな生活も終わる日がきた。来年の入学を控え、チェンチェンの将来を心配してママ(シャオ・シオン)が帰国したからだ。生活が一変した。ママは教育に躾けにとてもうるさい。 チェンチェンにとって最悪なのは役割がすんだと思ったイエイエが自分の家に帰ってしまったことだった。ママは新築マンションや最新のおもちゃを買ってくれてそれなりに気を使ってくれるのだけれど、イエイエとの、自由で楽しい日々が忘れられない。もう一度イエイエと一緒に暮らせるように、とチェンチェンはママに内緒で北京の街並みに飛び出していった。
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