『PAIN -ペイン-』 PAIN 配給:アルゴ・ピクチャーズ
『“PAIN−ペイン−”は、街の裏側に生きる人々の愛と金、そして痛みを等身大で描いた日本版”KIDS”である。』 家出をし行き場もなく路上に佇む真理(17才)と敦(20才)。彼らが大都会東京で触れたもの、それは果てしなく刹那的で空虚な世界―。 路上でAVや風俗嬢をスカウトする男達(スカウトマン)、遊び感覚でそれに応じる女の子達(学生、OL)、‘パー券’売りという仕事、援助交際という言葉をも生み出してしまった若者の負のパワー。それらをドキュメンタリータッチで圧倒的なリアリティーをもって描いたのは、本作が劇場用映画デビューとなる石岡正人監督。「プロの役者を極力排して、素人たちが醸す空気を画面に焼き付けたかった。決して利用せず、裁かず、被写体の側に寄り添う映画。もしこの映画に何かのリアリティーを感じていただけたら幸いです。」と監督は語る。実際に、映画の中の大通りで声をかけられる女の子たちの数は100人近くに上り、半分は専門のエキストラとスタッフの知り合いだったが、残り半分はプロデューサー自ら路上で声をかけ、その場で出てもらった女の子達である。 主演は、今回初めてキャメラの前に立つという松本未来、同じく演技経験ゼロという中泉英雄のふたりだが、その自然な感情の表現でこの難しい役柄を堂々と演じきっており、今後の活動が大いに期待できる。またオーディションに初めて応募、いきなりメインの可奈役をゲットした藤本由佳のキャラクターも圧巻だ。他、吉家明仁、小室友里、下元史朗という個性的な俳優陣が脇を固めている。