木枯らしの吹く東京。喪服姿の若い女性が白い布に包まれた骨壷を小脇に抱えている。「たった一人の家族…、バアバが死んだ」幼い頃に両親は死んだと聞かされていた仲里花(岡本綾)。彼女は19歳の現在まで祖母と二人で暮らしてきた。だがバアバ(佐々木すみえ)は天国に召される直前、花に告げた。 「自分の骨は故郷・浜比嘉に返してほしい。そしておまえが4歳の時に男を作って逃げていった母親・幸子(余貴美子)を訪ねるがいい」と。 母親が生きていたことに愕然とする花。そんな彼女の体内には、新しい命が芽生えていた。3か月前から行方不明になっている恋人ハヤト(比留間由哲)の子供である。混乱を抱え誰にも相談できず、ひとりぼっちになった花の不安はつのっていく…。