色覚異常の男、前田(永瀬正敏)は、一週間後に色覚を“正常”に治すための手術をひかえている。
手術をすることによって、彼の中にある色のイメージや世界が変ってしまうのではないか? 彼は不安を感じている。正しい色に定義などない。一人一人が見ている色は、みな違っている。
すべての人は、それぞれにヴィジュアル世界を持ち、権利を持っている。 なにが正しくて、なにが間違っているかなんて判断できない。多数によって作られた世界が、その中で生きる一人の人間に影響を与えている。
彼は自分にしか見えない色を見つめている。手術が、目前に迫っていた・・・。 |