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『モル』

配給:レモンティー★ピクチャーズ/ぴあ

キャスト スタッフ データ
タナダユキ
石川貴子
岩波才靖
監督・脚本:タナダユキ
撮影:久保延明/山田麻理枝
2000年/日本/76分/カラー/ビデオ

※第23回ぴあフィルムフェスティバル/PFFアワード2001グランプリ&ブリリアント賞(日活)受賞

イントロダクション
 『本作は、2001年の「第23回PFF/PFFアワード2001」にてグランプリとブリリアント賞(日活)を受賞した作品である。』
 タナダユキは、これが初監督作品ながら「観る人があってこその映画」というエンターテインメントとしての映画本来のスタンスを貫いている。それは監督自らが主人公を演じていることにも象徴され、圧倒的な存在感でボロボロの主人公を、これでもか!と痛快かつパワフルに演じている。そこに監督自身の「映画」に対する想いと純粋さが不器用ながらも凝縮されている。「生理とか女とかどうでもええねん…どうやったら上手に人の事好きになれんのやろな」随所にユーモアを散りばめ、モチーフをうまく使いこなし、時に高らかに笑い飛ばし、時に心の闇を鋭く指摘する。それでいてこの作品が押し付けがましさを感じさせないのは、観る側と「対話しよう」という真摯な姿勢が根本にあるからであり、だからこそこの作品は観終わった後に、主人公と一緒に心が開放されたかのような気持ちにさせる。

ストーリー
 西原ゆかり(タナダユキ)25歳。ある日突然、生理中にのみ自殺者と目が合い、高熱を出すという特異体質に。美術モデルとして、売れないタレントとして日銭を稼ぐ彼女は、熱を下げるための緊急手段として、坐薬を打ち続ける。生理と坐薬…。つき合っていた彼氏にドメスティックバイオレンスを受け、キレたゆかりは逆に彼氏をボコボコに。しかしそれがきっかけでエリート弁護士と恋に落ちるもかわいくない女っぷりを発揮し見事破局。冷静で勘の鋭い親友のはなちゃんはそんなゆかりの恋人達のダメ男ぶりを一目で見抜いてやさしく厳しく忠告するのだが、必ずダメ男達に振り回される。2000年11月11日。年齢をごまかしながらのタレント業も、ギリギリのラインだと自覚する彼女は、初めて最終選考まで残ったドラマのオーディションに今までの全てをかける。しかしその日もまた、今まさに飛び下りようとしている男と目が合ってしまう。
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