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『モデルカップル』
LE COUPLE TEMOIN
配給:N.S.W.

キャスト スタッフ データ
アネモネ
アンドレ・デュソリエ
エディ・コンスタンティーヌ
監督:ウィリアム・クライン
音楽:ミシェル・コロンビエ
衣装:アニエスベー/キャシャレル
1976年/フランス/105分/カラー

イントロダクション
 「私は人間が都市を作るなんてできやしない。作ったとしてもひどいものになると、こういうプロジェクトがいかにクレージーかを示す映画を作ろうと思った」ウィリアム・クライン監督はそう語る。『ミスター・フリーダム』『ポリー・マグーお前は誰だ』『モード・イン・フランス』のウィリアム・クラインがフランスの未来都市計画を痛烈に風刺した'70s『トゥルーマン・ショー』が本作である。舞台となったモデル・アパートメントは外界から閉ざされた場所に建設され、真っ白な1ページの上にクラインがデザインし、落書きしたかのようである。CやZやAの形で黒のラインが床に描かれ、カップルはその一部をなす点となる。“モデル・カップル”に扮したのは、アンドレ・デュソリエとアネモネの2人。ともに当時は映画俳優としては新人。クライン作品には消費社会やそこで機能するメディアなどに対する批判精神に溢れているが、ここでも未来の都市生活の実験をSF調のコミカルな描写で諷刺している。なかでも二人の生活がテレビで放映され、それをめぐって座談会が催されるところなど、フランスの社会におけるテレビの位置が示されているようである。

ストーリー
 未来省のプロジェクトである新しい都市が建設中であり、この都市に住む「モデル・カップル」として典型的なフランス人の若いカップル、ジャン=ミッシェル(アンドレ・デュソリエ)とクローディーヌ(アネモネ)が選ばれる。アパートメントでのモダン・ライフは、ズークとジャック・ブーデ(エディ・コンスタンティーヌ)という社会心理学者の監視の下で、寝食からセックスにいたるまで細かな調査を受ける。アニエスベーによるジッパーを使ったコスチューム、カルテルのプラスチック家具、安全ガラス製の食器セット、ゾラとバルザックの書箱…最新の家電や家具に囲まれた部屋で、好きなように時間を消費する権利をもったカップル。2人は当初選ばれたことを幸運に思っていたが、次第にそれが苦痛に満ちたものであることが分かってくる。2人はこの未来都市の住人としてのいわば実験用モルモットに過ぎない。2人の生活は、フランス全土にTV中継され、大臣や未来学者もカップルのディナーを訪問し、野次馬と化した国民はモデル・カップルの話題に終始する。遂に追いつめられた2人は。
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