カルメン・マウラ
エドュアルド・アントゥニャ
マリア・アスケリノ
エミリオ・グチエレス・カバ |
監督：アレックス・デ・ラ・イグレシア
製作：アンドレス・ビンセンテ・ゴメス
脚本：ホルヘ・ゲリカエチェヴァリア
アレックス・デ・ラ・イグレシア
撮影：キコ・デ・ラア・リカ
美術：ホセ・ルイス・アリザバラガ
ビアフラ
音楽：ローク・バニョス
衣装：パコ・デルガド |
2000年/スペイン/1時間46分/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル
※2001年度ゴヤ賞15部門ノミネート
主演女優賞（カルメン・マウラ）、助演男優賞（エミリオ・グチエレス・カバ）
特殊効果賞受賞
※サンセバッスチャン国際映画祭主演女優賞受賞 |
この映画でアレックス・デ・ラ・イグレシア監督と共同脚本を担当したホルヘ・ゲリカエチェヴァリアは「イグレシアは顔が好きなんです。実は絵をかくのも得意なんです。マンガも上手です。それでその人の顔をすごく気に入ることもあるんです。顔を見てその人のパーソナリティを作りあげる事もできるんです。映画では顔と言うのはその人の気持ちや感情を表現するとても大切な部分です。」と言っている。『どつかれてアンダルシア(仮)』のアレックス・デ・ラ・イグレシア監督が、今回はブラックな笑いあり、サスペンスあり、恐怖ありの作品に仕上げた。スペインの集合住宅にも日本と同じように管理組合、自治会のようなものが存在するが、本作では彼ら人間同士のどろどろとした欲とエゴを強調することでイグレシア流を強調。他の映画の有名なシーンをパクってみたりする遊び心も持ち合わせている。（どこが何の映画のパクリなのかは見てのお楽しみ！）ペドロ・アルモドバル監督作品の常連で、スペインの大女優カルメン・マウラをはじめ、スペイン映画界の知られざる“イイ顔”をしたキャストが勢ぞろい。カルメン・マウラは、イグレシア監督が「この映画への出演依頼をした時に、もし彼女がイエスと言ってくれなければこの映画はつくられることはなかった」と言っている。ほか、ダースベイダー（?!）役のエドュアルド・アントゥニャなど多士済済である。
不動産会社でセールスウーマンをしているジュリア（カルメン・マウラ）は、かかえている分譲アパートをあの手この手を使って客に売りつけなくてはいけないのだが、なかなか成果はあがらない。ある日、客を案内したマドリードの中心にあるマンションを気に入ってしまい、リストラされて今はディスコのドアボーイをやっている旦那を呼び寄せ、そこでこっそり一晩を過ごすことを計画。それがそもそもの“こと”のはじまりだった…。ところが、旦那とベッドでくつろごうとした瞬間、上の階から水が漏ってくるわ、ゴキブリは落ちてくるわ。
翌日、消防隊を呼んで上の部屋に行ってみると、そこの住人が死体で発見される。死体は一人暮らしの老人で、誰も知らない間に死んでいて、何日もたってから発見されたのだった。ジュリアは、その部屋で老人の財布を拾う。そして、その中に入っていた暗号めいた紙切れから、老人が隠し持っていた3億ペセタを見つけ、自分のものにしてしまおうと計画する。ところが、その金の存在を知っていたマンションの住人全てが敵に回り、ジュリアがその金を持って逃げないようありとあらゆる手を使って建物の外に出さないよう画策する。彼らは20年間、老人が死ぬのを待っていた。 
