ジョニー・リー・ミラー
ジュード・ロウ
レイ・ウィンストン
リス・エヴァンス
セイディ・フロスト
ショーン・パートウィ
キャシー・パーク
デニス・ヴァン・オーテン
ドミニク・アンシアー
ノ レイ・バーディス
ジョン・ベケット
トレヴァー・H・レアード
ウイリアムズ・スカリーQ.G.M.
ペリー・ベンソン
マーク・バーディス |
監督・脚本・製作：
ドミニク・アンシアーノ
レイ・バーディス
撮影：ジョン・ウォード
美術：ニック・バーネル
衣装：アリ・ブラウン |
1999年/イギリス/1時間38分/カラー/ヴィスタ/ドルビーSR |
“アンシアーノとバーディスの独特な映画作りは、やりがいがあって、すごく楽しいらしい”コメディ・ドラマや『ファイナル・カット』での評判からイギリス俳優たちの間では彼らの噂がこのように広がっていた。それはきっちり組み立てられた物語の枠組の中で俳優たちに自由に台詞や動きを作らせるもの。“ものすごくクリエイティブで自然なプロセスだけど、俳優はずっと集中していなければならない。それは俳優にとってものすごく怖いはずだ”と、アンシアーノは言う。しかし、そんな境遇に今回もジョニー・リー・ミラー、ジュード・ロウほかイギリスの誇る俳優陣が集った。表情ひとつ変えずピストルをぶっ放す、スタイリッシュな殺し屋ジュード（ジュード・ロウ）。平凡な郵便配達夫からギャングの顔役を目指し、一大騒動を巻き起こすジョニーに『トレインスポッティング』『ブランケット＆マクレーン』のジョニー・リー・ミラー。そして、公私ともにジュード・ロウのパートナーであるセイディ・フロスト(『ドラキュラ』)、異色の演技派レイ・ウィンストン(『ニル・バイ・マウス』『チューブ・テイルズ』)などなど。「この独特なスタイルを持ってハリウッドに進出する計画は？」の問いにアンシアーノとバーディスは首を振る。“ロンドンに生まれ育った人間が、NYやLAを舞台にした物語を作るのは不可能だ。それにどうして家でステーキが待っているのに、わざわざハンバーガーを食いに出かけるんだ？”
誰もが一目置く人物になるためには、ダークサイドで生きていくのもカッコイイ、郵便配達員のジョニーが憧れたのはクールでヒップなギャングスター。そんな彼が、名うての悪の首領、レイ・クリードの甥である親友のジュードを通して、ノース・ロンドン一のギャングに仲間入りをする。そうして巻き起こる事件は…。ギャングでも仕事をしながら他に一般人と同じ悩みを持って生きているのであるが、そんな姿にジョニーはイライラ。自分の名声欲しさもあるだろうけど、かなりキレまくってくるんだよね。こうなるとギャングなんかよりタチが悪い。南のほうの組織とお互い、そこそこにやっていこうとしているのに、抗争にまで発展させようとジョニーは画策するのである。ギャングよりもカタギの人間のほうがルールを知らないからかもしれない。会社でも黒が白になるときがあるから、それと同じ理屈。だから、この場合もどちらが良い悪いではないような気がする。結局、世の中はこういうものなんですよと、この作品は言っているのかもしれない。とそういうテーマとは別にいろんなキャラの楽しさや映像に工夫している点は面白い。もちろん、スタッフ・キャストで作り上げた台詞もセンスがあってグッド。
