映画のテロリスト。常にスタイリッシュで実験的で人を食った映像、無秩序で先の読めない奇妙な傑作を作り続ける、鈴木清順監督の傑作・秀作28作品を上映。スターシステムを敷き、アクションと歌を基本とする日活映画の製作ラインの中で生まれた監督だが、皮肉にも会社のそうしたシステムがマンネリ化し出した時期に、俄然、独自の美学が花開くことになる。映画のスタイルだけではなく体制と闘い続けた監督としての在りようも、日本のみならず、ウォン・カーワァイ監督、ジム・ジャームッシュ監督など各国の若い監督たちに影響を与えている。最大の傑作「殺しの烙印」は、時代、国籍を超え、永遠に語り続けられる。甘いプログラムピクチャーに慣れきった60年代の観客には、この映画は斬新過ぎて、その本当の凄さが理解されなかった。しかし、「殺しの烙印」は不死鳥のように生き続け、多くのアクション映画、CMやミュージッククリップなどにも影響を与えている。時代と共に変化し続ける、世紀の大怪作。 |