『恋人のいる時間』 Une Femme mariee 配給：ザシフィルムズ オフィシャル・サイト： http://www.zaziefilms.com/koibito/
1964年/フランス/95分/白黒/スタンダード
アンナ・カリーナ主演作の『はなればなれ に』と『アルファヴィル』に挟まれており、アンナ・カリーナとゴダールによって設立されたアヌーシュカ・フィルム製作のゴダール作品の一本（もう一本は『はなればなれに』）である。副題に「1964年に撮影された、ある主婦の1日の断片」と記され、愛人のいる人妻の生活が2日間にわたって、微細に観察される。解体していくために使っているにせよ、ゴダールがしばしば用いる冒険小説的な原作は使われていない。出演は人妻シャルロットに、後に『冬の旅』『ミーティング・ヴィーナス』『魚のスープ』『シャンヌのパリ、そしてアメリカ』などで活躍するマーシャ・メリル。愛人ロベールに『鬼火』『冬の旅』のベルナール・ノエル。夫ピエールには『穴』で映画デビュー、『黄金の七人』の教授役が有名なフィリップ・ルロワ。
ロベール（ベルナール・ノエル）のアパルトマン
。午後。ロベール、ベッドで全裸のシャルロット（マーシャ・メリル）を愛撫している。二人はその間も愛について語り合う。シャルロット、エルザ・トリオレの木をめくっている。壁にかけられたモリエールの肖像画。ナレーションでモリエールの言葉「罪をふせぐために、芝居は恋愛を浄化する」。ロベール、そしてシャルロットの順に、シャワーを浴びる。シャルロットは新しく借りたアパルトマンの内部を調べてまわる。パンティ一枚の格好のまま、屋根の上にも出る。シャルロットは、ロベールにブラジャーのホック
をとめさせ、男の姿勢矯正器を目にし驚き、彼から買い取る。服を着終えたシャルロットは化粧をして、ロベールと部屋を出る。建物の外。シャルロットとロベールは別々に出てくる。ロベールは車をとりに行き、シャルロットは乗り込み、姿勢を低くして、姿を見られないよう気をつける。車はセーヌ河畔を走っている。ふたりは、明日の午後、映画館での待ち合わせを確認し、シャルロットはナシオン広場で降り、デパート《プランタン＝ナシオン》に入る。その後、シャルロットは3回タクシーを乗り換えて、息子ニコラ（クリストフ・ブルセイエ）を迎えに行き、再びタクシーに乗り込み、空港へ向かう。
