日本映画黄金期の松竹、日活、東宝、大映を渡り歩き、45年の短い生涯に51作品を残した鬼才・川島雄三。あくまでも企業内監督でありながら、単色に染まらないその乱調ともいえる多彩な映画の数々を生み出した強烈な個性は、日本映画界の伝説として語り継がれてる。今回は上映可能なすべての作品にニュープリント作品を加えた約40作品を揃え、その全貌に迫る。川島雄三の代表作として誰もが認める作品『幕末太陽伝』(57)。そのほかにも『洲崎パラダイス 赤信号』(56)、『わが町』(56)、『暖簾』(58)、『グラマ島の誘惑』(59)、『貸間あり』(59)、『女は二度生まれる』(61)、『雁の寺』(62)、『青べか物語』(62)、『しとやかな野獣』(62)など数々の名作秀作がある。
レビューでは、そんな40作の中から『あした来る人』(55/日活)を取り上げてみた。
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