トム・ウィルキンソン
シシー・スペイセク
ニック・スタール
マリサ・トメイ
カレン・アレン
ウィリアム・マポーザー
ウィリアム・ワイズ
セリア・ウェストン
フランク・T・ウェルズ
W・クラファム・マレイ
ジャスティン・アッシュフォース
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監督・製作：トッド・フィールド
製作：グラハム・リーダー
ロス・ケイツ
撮影：アントニオ・カルバーチェ
音楽：トーマス・ニューマン
衣装：メリッサ・エコノミー
原作：アンドレ・デュバス
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2002年アカデミー賞主要5部門ノミネート
※2002年ゴールデン・グローブ賞最優秀主演女優賞受賞（シシー・スペイセク）
※ 全米放送映画批評家協会賞最優秀主演女優賞受賞
※ナショナル・ボード・オブ・レビュー2部門受賞
※ニューヨーク映画批評家協会賞3部門受賞
※ロサンゼルス映画批評家協会賞2部門受賞
※フロリダ映画批評家協会賞最優秀主演女優賞受賞
※サウスイースタン映画批評家協会賞2部門受賞
※ゴールデンサテライト賞3部門受賞
※インディペンデント・スピリット賞3部門受賞
2001年/アメリカ/2時間11分/シネマスコープ/SRD、SR |
「私がこの映画の脚本を書く上で、作家アンドレ・デュパスの様々な作品が影響を与えていると思いますが、とりわけある一つの物語が私にインスピレーションを与えてくれました。物語の大半は西洋人の意識について書かれています。」トッド・フィールド監督はそう語る。ニューイングランド、メイン州の小さな町。マット・ファウラーは開業医で、妻ルースは合唱隊の教師をしている。夏休みで帰省している一人息子のフランクは、幼い2人の子供がいる年上の女性ナタリーと愛し合っている。しかし、彼女とよりを戻したい夫リチャードは離婚に応じず、度々彼女の家にやって来る。そして、短い夏が終わりに近づいたころ、彼らは思いもよらぬ悲劇に見舞われる…。アカデミー賞主要5部門にノミネートされたこの作品は『アイズ・ワイド・シャット』などで知られるベテラン俳優、トッド・フィールドの初監督作である。演じるのは『歌え！ロレッタ愛のために』でオスカーを手にしたシシー・スペイセク。イギリス出身で『フル・モンティ』『恋におちたシェイクスピア』のトム・ウィルキンソン。誰もが認める当代随一の役者たちは、ファウラー夫妻のやるせない心情を静かに表現し、見る者の心に訴える。
トッド・フィールドは初監督だと聞くが、なかなか渋い演出を見せる。説明過多なことをしないで淡々とテンポ良くストーリーを進行させていく。そしてまた何気ない演技に深い意味をこめて表現しているのだ。父親が、殺された息子がいなくなったベッドの上にあるまだ頭の形の残っている枕をそっとなでたり、殺した男と同じ名前の会社名が書かれてあるトラックを見つめたり、検事の部屋で検事の家族の写真をじっと見つめたりと、注意深く見てないと見過ごしてしまいそうだが、実に味わいのある演出なのである。印象深かったのはその夫妻を仲良しの夫婦が彼らの別荘に招くシーン。招いたほうの妻が家族の写真を見せながら言っちゃいけないことを口走った後、彼女は謝るのだが、ここのカット割りが普通は1回の切り返しで見せるところを2回、行っている点。間を十分にとってじんわりと見せているのである。もちろん、これら演出を体現している俳優陣も確かな演技力を持っているからこそ、できる芸当なのではあるが。上映時間は少し長いかもしれないが、ストーリーを丹念に描いてあるし、必要のないものは省略するという、できそうでできないことをやってしまっている重厚な人間ドラマである。
