経済発展めざましい現代中国の大都市上海。国営会社をリストラされた6人の仲間たちが集まって、会社を作るが行く手は大混乱。ある時は非常識なまでに楽観的に、ある時は逆境をものともせず、またある時は「宝クジ」に命運を賭け…。ごく“普通の人々”の不屈の日常を描く本当にあった痛快な物語。監督のワン・クァンリーは、1966年中国四川省生れで現在は北京に在住している。大学で映画評を執筆したことがきっかけになり、'92年に心理学教授から映画監督に転身した変り種である。映像作家としてのデビュー作は天安門事件を扱ったドキュメンタリー『I
HAVE GRADUATED』。1993年から'96年まではテレビ局に務め、'98年、本編デビュー作となる『處女作』を監督。19日間で撮影されたこの作品は「労働三部作」構想の1本目ということである。そしてその2作目となった仕事が本作品であるインディペンデント・フィルム界の覇者ともいえるワン監督ならではの企画に支えられた本編は、撮影所を一切使用せず街に飛び出し12日間の撮影を敢行。ワン監督自ら、素人の出演者に交渉し、脚本を手掛け、撮影し録音も担当した。実話に基づく軽快な物語を上海に生活する実在の6人が、素人出演者である彼等自身の言葉で会話し、行動する軽妙なテンポ、そして画面に繰り広げられる斬新で新鮮な映像、卓越したドキュメンタリータッチの構成の冴えが、国内外で賞賛され、好評を博している。