「おそらく未来の地球は人口過剰になっているので、男性に代わって女性が主導権を握っていると思うんです。しかも生き残るためにタフじゃなきゃならない」監督のジョン・カーペンターは語る。クェンティン・タランティーノも、ロバート・ロドリゲスも影響を受けたジョン・カーペンター。『ハロウィン』『遊星からの物体Ｘ』『ヴァンパイア最期の聖戦』等を発表してきた彼は74年に監督デビューして以来、独自の作家性を頑なまでに貫き通し、様々なクリエイターたちにも刺激を与え続けてきた。その鬼才の新作がこの『ゴースト・オブ・マーズ』である。カーペンターは言う。「火星を舞台にした作品を80年代半ばからずっと作りたいと思っていたんだ。火星は我々にとって、血、戦争、愛、情熱など、多くの物を象徴している」と。それらの要素を全てブチ込み、火星における、最も残虐で、最も長い一日を描いた。主演は、クールなラップ・ミュージシャンであり、『ボーイズ'ン・ザ・フッド』『アナコンダ』『スリー・キングス』等の話題作にも出演するアイス・キューブ。彼が演じるアウトローに対峙する美しい火星警察の警部補に扮するのが『スピーシーズ／種の起源』『隣のヒットマン』のナターシヤ・ヘンストリツジ。その2人を取り囲むのが、『スナッチ』のジェイソン・ステイサム、ブラック・プロイテーションのカリスマ女優パム・グリアー、『17歳のカルテ』のクレア・デュバル、『ブレードランナー』のジョアンナ・キャンディといった個性派。また脇に、カーペンター作品の常連であるロバート・キャラディンとピーター・ジェイソンが出演しているのも嬉しい。