チン・ハイルー
マク・ワイファン
ウォン・ミン
ヤン・メイカム
マク・シュエウェン
チェン・リェングイ
ジャン・リーイェン
ユン・ワイイー
アー・ロン
バイ・シャオミン
リー・シュアン
フー・チンヨン
ルー・チーハン
ヤン・シャオリー |
監督・脚本：フルーツ・チャン
製作：ドリス・ヤン
撮影：ラム・ワイチューン
美術：ティン・ムック
音楽：ラム・ワーチュン
チュー・ヒンチョン |
※第6回港批評家協会賞最優秀脚本賞受賞
※第6回香港批評家協会賞最優秀主演女優賞受賞（チン・ハイルー）
※第20回香港電影金像賞最優秀脚本賞受賞
※第20回香港電影金像賞最優秀新人賞受賞（チン・ハイルー）
※ヴェネチア国際映画祭正式出品
※トロント国際映画祭正式出品
※ロンドン映画祭正式出品
※ストックホルム国際映画祭出品
※アジア太平洋映画祭正式出品
※プサン国際映画祭正式出品
2000年/香港/117分/カラー/ビスタ |
監督のフルーツ・チャンは語る。彼は第2作「メイド・イン・ホンコン」（1997年）でヒットを飛ばし、1998年には、返還時の退役兵青年とその弟を描いた「花火降る夏」を発表、続く1999年には、返還前後の香港を舞台に、少年と少女のふれあいを描いた「リトル・チュン」を完成させ、《香港返還3部作》を完結させる。この「ドリアン ドリアン」はその後、心機一転して新しいテーマに取り組んだものだ。監督は続ける「ドリアンはとても奇妙な南国の果物だ。たいていの人は大好きになるか、大嫌いになるかのいずれかに分かれる。この感情は、そのままポートランド･ストリートとそこに住む住人に対する、大衆の感情と一致する。ポートランド･ストリートは風俗とギャンブルで有名な香港の一角だ。」主演のチン・ハイルーは｢ドリアン
ドリアン｣を準備中のフルーツ･チャン監督に見出され、映画初出演初主演を果たす。その演技を認められ、第6回香港批評家協会賞最優秀主演女優賞、第20回香港電影金像賞最優秀新人賞を受賞。以後、ダニエル・チャン（陳暁東）と共演の『停不了的愛（原題・邦訳：とめられない愛）』(2000年イップ・ワイマン監督)等映画出演が続くほか、現在、中国での連続テレビドラマへの出演も決まっている。また、共演のマク・ワイファンはフルーツ・チャン監督作品「リトル・チュン」でデビューした少女。。「リトル・チュン」と同じ、香港の路地裏で皿洗いをする不法移民の少女ファンの役で再登場する。
中国東北部・牡丹江から中国南部の経済特別区・シンセンに出稼ぎにやってきたイェン（チン・ハイルー）。彼女は娼婦。出身地を尋ねられるたび、上海、四川、湖南と、男たちを煙に巻きながら､“食べて、売る”というバイタリティ溢れる日々を送っていた…。ストーリーはこのように始まる。しかし、監督のフルーツ・チャンの演出は上手い！このイェンの仕事ぶりを描くとき、始めからバーッと裸を見せるわけでなく、徐々に徐々に見せていくのである。だから何？って思われるかもしれないけど、最後まで見れば、その意味がジンワリとわかる。
フルーツ・チャン監督と言えば、これまで香港の生の姿を映し出してきた人。今回も始めはそんな雰囲気であったが、イェンはビザの関係で故郷に帰ることになる。ここから舞台は牡丹江に移り、現在の中国の有様を描いていくことになる。そしてイェン自身の本当の姿も描いていく。香港だけでなく中国もまた、いろいろな問題があるのだ。そこには個人の意思だけではどうしようもない現実があるし、またどこの国の人でも抱える問題もある。とくかく、この作品は見て、感じてほしい映画である。説明よりもフルーツ・チャン監督が丁寧に画で描いてくれているからだ。え？ドリアンはどこに出てくるんだって？ドリアンはこの映画にとって非常に重要な小道具。この映画を最後まで見終えた時、きっとドリアンが食べたくなると思う。実際、私はそうなった。その後、まだ食べる機会がないけれど…。
