ハル・ベリー
ビリー・ボブ・ソーントン
ヒース・レジャー
ピーター・ボイル
ショーン・コムズ
モス・デフ
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監督：マーク・フォースター
製作：リー・ダニエルズ
脚本：ミロ・アディカ/ウィル・ロコス
撮影：ロベルト・ショーファー
美術：モンロー・ケリー
衣装：フランク・フレミング
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※2002年アカデミー賞主演女優賞受賞
※2002年ベルリン国際映画祭2部門受賞
※2001年ナショナル・ボード・オブ・プレビュー2部門受賞
※2002年ゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞受賞
※2002年ゴールデン・サテライツ脚本賞受賞
※2002年全米俳優協会主演女優賞受賞
※2002年フロリダ映画批評家協会賞最優秀主演男優賞受賞
2001年/アメリカ/113分/SR,DTS,ドルビー・デジタル,SDDS |
「私は本作で行為より感情によって導かれていく映画を撮りたいと思った。俳優たちには妥協のない心からの感情を求めた」監督のマーク・フォースターは語る。今年のアカデミー賞主演女優賞（ハル・ベリー）を受賞したこの作品は息子を失った孤独な男と夫と幼い息子を相次いで亡くした幸せ薄い女が失意の底で出会い、お互いを癒すように愛し合い黒人偏見と戦うラブストーリーである。男を演じるのは個性派ビリー・ボブ・ソーントン。忌み嫌っていたはずのチョコレート色の肌をした女に引かれていく男という難しい役柄。愛に飢えた寂しい女を熱演したハル・ベリーは『X-メン』『ソードフィッシュ』などのキャリア。監督はこれが日本初登場、スイス出身のマーク・フォースター。これまではドキュメンタリー作品やインディペンデント作品が多かった。主演のハル・ベリーはこう語っている。「こういう業界にいると、黒人女性であることがどういうことかが身にしみてわかるの。何かを手に入れたくてしょうがない、でもどうしたらいいかわからない、その葛藤はすごくよくわかるわ。彼女は心にたくさん痛みを抱えた人。そして私もそう。今回はその役作りのためにその痛みを利用することができたわ」
主演の1人、ビリー・ボブ・ソーントンは筆者の最近のお気に入り。それを目当てに見に行ったのだが、結果論としてオスカーを取ったハル・ベリーの演技がビリー・ボブ・ソーントンを食っていたと言っても過言ではないくらい素晴らしい演技をしている。微妙な心境を表情に出すことから濡れ場のシーンまで、見ごたえたっぷりの彼女である。それから、ハリウッド映画にありがちな男女が出会って即恋に落ちるというラブストーリーではなく、彼らが徐々に惹かれ合う（実はちょっとニュアンスは違う。でも、これは見てのお楽しみ！）ストーリー進行はリアル感があって見ていて飽きさせない演出。マーク・フォースター監督の腕も大したものである。黒人偏見は今でもアメリカの一般社会に残るものであるが、監督はそのテーマのためにもリアル感のあるしっかりとした演出を心がけたものだと思う。また、それを具現化できる技術を伴っていたのだからこその芸当なのだろう。劇的な何かが起る作品ではないけれど、ジワジワと心に染み入る名作である。
