「ケイゾク/映画」「溺れる魚」の堤幸彦監督の最新作。登場人物はたった3人、舞台はワンセットのみという緊張感の中、完全密室の死闘がはじまる。都会の孤独、“食べる”という行為のグロテスクさ、追いつめられた者たちの心の襞(ひだ)を大胆なカメラワークでスタイリッシュに描きだしている。主演にはTVドラマ、CMなどで活躍する一方、「蛍」(89)「さらば愛しのヤクザ」(90)「踊る大捜査線
THE MOVIE」(98)などに出演し、実力派俳優として、評価を不動のものとした柳葉俊郎をはじめ、謎の殺し屋役に映画初主演となるIZAM、料理を運ぶチャイナドレスの女に翠玲が扮している。また、主題歌は、吉田美奈子の名曲「凪」。その圧倒的な歌声は、都会に生きる荒んだ人間達への優しく癒しに満ちた鎮魂歌のように響く。 |