60年代から70年代にかけてのアメリカン・インディペンデント・ホラー・ムービーは、何十年ものあいだ映画ファンを怖がらせ、そしてまた魅了し続けてきた。『悪魔のいけにえ』『ハロウィン』『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』『鮮血の美学』『ラビッド』などなど。心臓が高鳴り、思わず目を覆い、身が竦んだ。その怖さ、面白さはいまだ色あせることがない。それまでのホラー映画にはなかったあの特異な恐ろしさの原点は何なのか。本作は、それらホラー映画の監督たちと特殊効果のパイオニアであるトム・サヴィーニによる証言あるいは映画研究者たちの分析、そして歴史に残るホラームービーのシーンやニュースフィルムの映像などでその答えを丹念に探ってゆくドキュメンタリー映画である。監督アダム・サイモンはアメリカン・ホラーの発芽期を克明に追い、あの戦慄が産み落とされた「時代」を語り、真実のアメリカの歴史をあぶり出した。そして、70年代のホラー映画が、まさに時代を写す鏡でもあったことに気づいたとき私たちの恐怖はさらに深くなるだろう
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