「私はアフリカとは全く無縁で、新聞やテレビで目にしていただけでした。正直にお話します。実際にアフリカに行ってみて、私が抱いた先入観はものの見事に打ち砕かれました。」『友だちのうちはどこ?』『桜桃の味』『風が吹くまま』で人間の“生と死”を正面から見据えたイランのキアロスタミ監督。本作では人間の尊厳をつぶさに見つめ、“生”の持つ輝きと力強さをスクリーンに溢れさせている。「ウガンダの孤児救済のための女性運動」(UWESO)の活動に対する世界的関心を高めるという役割を背負った本作はキアロスタミのドキュメンタリー・スタイルに、驚くほどまっすぐに立ち返っている。この作品は、ウガンダが近年体験した苦く苦しい歴史的側面や、この国に対する世界的なイメージについてはほとんど触れることなく、どんな逆境をも跳ね返す、人間の希望に満ちた精神力を讃えたドキュメンタリーである。 |