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鬱積したエネルギーを爆発させるようなテンションと躍動感がスクリーンを彩り、荒削りでパワフルな映像は小栗旬の熱き感性がほとばしる。目標なく生きる若者たちが仲間に対する信頼を再構築していく姿は熱い一方でほろ苦い。(60点)
ネタバレ注意! この批評は結末に触れています。
若気の至りで高校中退、青春を棒に振った若者たちが失われた時間を取り返すかのように疾走する。大金強奪事件に偶然遭遇してしまった彼らが、ヤクザに追われ謎の女の消息をたどるうちに、明かされていく子供時代の強烈な思い出と3年前の後悔。映画は鬱積したエネルギーを爆発させるかのごときテンションと躍動感でスクリーンを彩り、荒削りながらもパワフルな映像からは小栗旬の熱き感性がほとばしる。失うものがない者の強さと、まだまだ走ることができる喜び、目標なく生きる彼らがそれらを最大の武器にして暴れまわる中で仲間に対する信頼を再構築していく姿は熱い一方でほろ苦い。
教室爆破事件を起こして高校を退学させられた巧、京平、秀人、和生、雄喜の5人はその後冴えない暮らしをしている。ある日、巧と京平は、女が現金強奪する現場を目撃、奪われたのはヤクザの子分になった和生だった。ヤクザの親分にカネと女を連れ戻せと脅された3人は秀人を誘う。
強奪犯が10年前に巧が一度だけ会った元風俗嬢だったという手掛かりを元に、4人による女の捜索が始まる。それは、彼らが忘却の彼方に置き去りにした過去と対峙すること。記憶の奥にしまっていた出来事がよみがえり、彼らと女の因縁が徐々に明らかになっていくミステリアスな構成が興味をそそる。さらに彼らに壊れかけていた友情と人を愛する気持ちが再び芽生える過程は、やる気のない人生に陥っていた彼らの再生の物語としての機能も果たしている。