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2010年05月06日 配信
仲里依紗が魅力的で、それだけで十分に楽しめる。哀川翔のデビュー25周年記念作でありながら、どこまでも仲里依紗のための作品になっている(75点)
三池崇史監督作「ヤッターマン」(2009)は、深田恭子が演じるドロンジョが余りにも魅力的だった。私も含め、もうストーリーなどどうでもいいから、ドロンジョだけを見ていたい、と思った人も多かったはずだ(と思う)。そんな人にとって、本作は理想の作品だ。ドロンジョよりもセクシーで魅力的な仲里依紗の「ゼブラクイーン」と「ゼブラウーマン」を、たっぷりと見ることが出来るからだ。
西暦2025年。記憶を失った市川新市(哀川翔)は、路上で目覚める。そこは東京都知事の相原公蔵(ガダルカナル・タカ)が君臨するゼブラシティだった。朝夕の5分間にゼブラタイムが導入され、警察官は無条件で民間人を撃ち殺していいとされていた。ゼブラシティの広告塔は相原の娘・ユイ(仲里依紗)。ゼブラクイーンとなって歌い、ヒットチャート40週連続ナンバー1になっていた。市川はゼブラタイムの犠牲者を匿う「白馬の家」のメンバーとともに、ゼブラシティと戦い始める。
冒頭から、黒のボンデージ・ファッションに身を包んだ仲里依紗が歌い踊る。まるで彼女のプロモーション・ビデオだ。これが、実にいい。スタイリストの松本智恵子、ヘアメイクアーティストの冨沢ノボルが最高にカッコいいゼブラクイーンを作り上げ、ライブ映像を安室奈美恵のPVを手がける久保茂昭が監督している。ああドロンジョにもこれをやって欲しかった、と思う。ここで一気に作品世界に引き込まれてしまった。この冒頭のシーンこそ、本作の真のクライマックスと言っていいかも知れない。