新着映画情報
時代にマッチしている上、脚本の骨格がきわめて頑健(90点)
たぶんこの映画についてほとんどの方は、こんな風に考えているだろう。
「え、日本映画? 安っぽそう」「え、フジテレビの映画? 軽そう」「え、テレビドラマの映画化? 映画だけ見てもわかんなそう」「とにかく、つまんなそう」
その気持ちはわからぬでもないが、なんと本作に限ってはすべてよい意味で裏切られた。こういうことはめったにあるものではない。
いよいよライアーゲーム決勝戦。手段を選ばず大金を奪い合うこのだましあいゲームも、いよいよ最後だ。ここまで残ったのは男女あわせてわずか11名。そのひとり神崎直(戸田恵梨香)は、騙すくらいなら騙されたいというバカ正直な女性だが、ここまで稀代の天才詐欺師・秋山深一(松田翔太)の圧倒的な才能に守られ生き延びてきた。だが今回のメンバーには、その秋山すら予想だにしない強力な刺客が紛れ込んでいた。
「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」のストーリーはシンプルで、孤島の建物に呼び寄せられた男女11名が、「エデンの園ゲーム」なる戦いをひたすら続けるというもの。このゲームについては後に述べる。
本作の魅力は、上映時間2時間強の間、観客をひきつけまくるテンポのよさ。これについては、テレビドラマの映画化というその素性が、おそらくはじめて有効な効果をあげた例ではないか。
具体的にいうと、登場人物や舞台設定の説明が一切なく、いきなり対決に入るオープニング。これが抜群の緊張感を与えてくれる。テレビドラマのときに散々登場人物を掘り下げ、世界観の解説を繰り返してきたからこそ大胆に省けたのだろうが、結果的にそれが初見の観客に対しても功を奏した。