新着映画情報
2010年02月18日 配信
(C)2007 RAI PICTION TITANIA PRODUCTION INSTITUTE DEL CINEMA CATALA EOS ENTERTAINMENT GFM PRODUCTIONS
光と影のコントラストの妙を得意とするストラーロの映像は、陰影の濃いカラヴァッジョの絵画そのもの(70点)
バロック絵画の先駆者である天才画家の破天荒な半生を描く伝記映画は、崇高なまでに美しく罪深い。16世紀のイタリア・ローマ。画家のカラヴァッジョは天性の絵の才能から枢機卿の援助を受け、教会の絵をまかされるようになる。素晴らしい絵画によって賞賛を浴びる一方で、放蕩、暴力沙汰など彼の私生活が問題に。ついに決闘により相手を殺害してしまったカラヴァッジョは死刑判決を受け、ローマから逃亡することになるが…。
この画家に関しては、かつて英国のデレク・ジャーマンが映画化している。同性愛という部分を大きく取り上げたジャーマン版がカルトなアート・ムービーとすると、本作は、正統派伝記映画と言っていい。大きな力を持つ教会の思惑、スペイン派とフランス派に分かれる政治権力など、複雑な背景はあるものの、映画は、この画家がどういう経緯で栄光と転落の人生をたどったかが非常に分かりやすく描かれている。