新着映画情報
2010年01月21日 配信
シャネルのファッションで全てが彩られた絢爛たる世界。ストラヴィンスキーもシャネルの世界の構成物の一つに過ぎない(80点)
人物としてのココ・シャネルと、ファッションとしてのシャネルは、どちらが先なのだろうか。無論、普通に考えれば人物としてのシャネルが先に違いない。だが我々は、直接的にも、同時代的にも、ファッションとしてのシャネルは知っているが、人物は知らない。すでにこの世のものでない人物に到達するためには、ファッションを介するしか方法がない。我々にとっては、ファッションが先なのである。
とすれば、作品がシャネルに到達するためには、美術と衣装の映画にならざるを得ない。本作はまさにそんな映画だ。シャネル社の全面的な協力の下、本物のシャネルの衣装やアクセサリーを使い、再現すべきものはシャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルドが作成している。パリにあるシャネルのアパートでも撮影が行われた。この絢爛たるココ・シャネルの世界では、天才ストラヴィンスキーも、ニジンスキーも、シャネルを巡る人物の一人に過ぎない。