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2009年12月22日 配信
上野樹里&玉木宏は最高に面白い(55点)
映画「踊る大捜査線」が邦画史上に残る大ヒットを記録したので誤解している人が多いが、フジテレビはテレビドラマの映画化というものに、それほど熱心ではない。ちなみにその反対はTBSやテレビ朝日。彼らに比べればフジは、オリジナル脚本に力を入れるなど、きわめてまっとうな映画作りに力を注いできた。だが残念ながら彼らの勇気ある挑戦は、(われわれ批評家の責任でもあるが)人々に浸透せず、興収面では低調に終わった。
だから、というわけでもなかろうが、2010年のお正月シーズンに彼らは大ヒットテレビドラマ『のだめカンタービレ』の映画版をもってきた。内容は、のだめと千秋の恋の結末を描く真の完結編。二部構成の映画として、まずはその前編が公開される。
指揮者として認められた千秋(玉木宏)は、名門ルー・マルレ・オーケストラの常任指揮者に引き抜かれる。ところがその実態は、経営難でベテラン奏者がごっそり抜け、残ったものにも覇気がなく、皆バイトで生計を立てるほかないダメっぷり。公演まで日がなく焦る千秋は、のだめこと野田恵(上野樹里)にチェレスタ(鍵盤付きの打楽器の一種)の演奏を頼む。愛する千秋との初競演に、一人浮かれるのだめだが、団員たちの演奏はまるで揃う気配がなく……。