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ジェームズ・キャメロン監督が3Dの歴史を変えるといわれたSFアクション。「映像革命」は本当だった(93点)
日本中のシネコンが今年、急ピッチでデジタル3D施設の整備を進めてきたのは、本作のためだと言っても大袈裟ではないだろう。ジェームズ・キャメロン監督が構想に14年、製作に4年を費やしたという「アバター」は、単なる3D映画ではなく、「映像革命」だと伝えられてきた。果たして「革命」は成功したのか? 答えはイエスだ。
22世紀。地球から5光年離れた衛星パンドラから、莫大な価値のある鉱物アンオブタニウムを採取するため、人類は「アバター・プロジェクト」を実施する。パンドラの先住民ナヴィと人間との遺伝子を組み合わせて新たな肉体「アバター」を開発し、ナヴィに潜入させる計画だ。アンオブタニウムはナヴィの住む集落の下にあり、採取のため立ち退かせる必要があった。元海兵隊員のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)は車椅子の生活を送っていたが、アバターに意識を送り込むことで新たな肉体を獲得し、ナヴィたちの共同体に入り込み、様々な情報を収集する。だが、ナヴィの族長の娘ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と知り合い、恋に落ちたジェイクは、任務に疑問を持ち始める。やがて人類は軍隊を送ってナヴィたちを攻撃し始めた。
デジタル3D技術に最も適しているのは、実写でもアニメーションでもなく、モーション・キャプチャーであると、「Disney’s クリスマス・キャロル3D」のレビューでも書いた。「Disney’s クリスマス・キャロル3D」のモーション・キャプチャーがアニメーションに近いのに対し、本作のそれは実写に極めて近い。そして、モーション・キャプチャーと実写が、一つの画面の中で全く違和感なく融合している。CGと実写の「ベルリンの壁」が崩壊したのである。これこそ、「アバター」がもたらした映像革命だろう。