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試写会など日記 
アーカイブについて
 昨年(2004)の6月から始まった“試写会など日記”。元々はメルマを充実させるための企画として始まったのですが、今ではこれを楽しみにしていてくれる人も多いようで嬉しい限りです。率直な意見が聞けるという声もありますが(ま、そのあたりのことは担当者の心を覗かなければ判らない部分もあるのですが)、希望の多かったこの“試写会など日記”のアーカイブを月別にUPしていきますので、文体の差、手を抜いているな、あの作品をこう思っていたのか、こんな作品があったんだなどお楽しみください(原文は基本的に発表時のままです)。


■過去記事一覧

7月×日 『69』の試写。村上龍の小説の映画化だ。青春映画として面白い!映画の設定ももちろん1969年だが、小説に漂っている重苦しさを取っ払った形で映画化したところに監督の冴えを感じる(実はそこが物足りなさでもあるが)。ひたすら走り回る主人公たちからは走り回るからこそ生まれるパワーを感じる。監督は李相日。この前に撮った『ボーダーライン』も本当にいい作品だった。そこまでは知る人ぞ知る新人監督だったのだが、この作品で完全にブレイクするだろう。彼を使おうと思った製作者も素晴らしいね。作品はHPではタイミングが合わず、紹介できず。でも、もっと大きな所で紹介もしているからいいでしょう。そういえば、『ボーダーライン』もタイミングがずれて紹介できなかったんだよな。ちなみに原作とは別物と考えたほうがいいですよ。

7月×日 ブルース・プロジェクト・シリーズの1作『レッド、ホワイト&ブルース』の試写。この作品はブルースという音楽をポピュラーにしたイギリスにおける音楽シーンを描いている。トム・ジョーンズはなんだかという感じなのだが、ヴァン・モリソンに震える。ジェフ・ベックがセミアコ弾いてるのも珍しい。戦後のジャズからR&Bへの架け橋を作ったミュージシャン、60年代を語るクラプトンやスティ-ヴ・ウインウッド、アルバート・リーなどのいききとした表情。ジョージ・フェームが語るクラブ フラミンゴの様子からは「ブルービートのドキュメントも作ったら絶対に面白い!」と考えてしまった。ブルースや60年代のブリティッシュロックが好きなら、必見。ミュージシャンも見るべし(楽器の話とか面白い)。ただ、音楽に理解と知識がないと駄目でしょう。個人的には最良の時間でした。
  夜はアニメーション『マインド・ゲーム』の試写。全く期待していなかったのだがこれは面白い。ちょっと遊びが過ぎる部分もあるのだが、深遠な、でも単純なテーマをこういう形でまとめるとはびっくりです。原作があるらしく、こっちも読んでみたくなった。

7月×日 『なぜ彼女は愛しすぎたのか』の試写。30歳の女性と13歳の少年の愛の話。フランス映画らしいなという内容。全編デジタルで徹底的に寄り、手持ち、露出の 不足もオーバーも活かしながら撮られた映像に主人公の生々しさを感じ、ひきつけ られていく。そこに限りない魅力を感じてしまう。主人公の少年は美少年。人気が出るだろうなと思う。

7月×日 『ステップ・イントゥ・リキッド』の試写。サーフィンのドキュメンタリー映 画だが、ビッグ・ウェーブやサーファーたちのテクニックに感嘆作品ではなく、サーフィンをライフスタイルとしたものたちの映画と考えたほうがいいと思う。世界中の様々な地域にいるサーファーたち。子供から世界チャンピオンを目指すトッププロ、命知らずの冒険者まで、そこにある生き方に感動してしまう作品。『ブエナビスタ』みたいな広がりがあるかもしれない。

7月×日 『ピエロの赤い鼻』の試写。ピエロでジャック・ヴィユレが出ているということで、これはフランス的なコメディーなんだろうなと勝手に想像していたら、そういう要素もあるが、違っていた。感動作だった。戦争を舞台にした小市民的な話が背景にあるんだけど、それを書くのはやめときます。観終わって、プレスを読んで、原作があることを知ったが、この作品に関しては原作のほうがはるかにいいんだろうなという気がする。
  試写場の近くでやっている大竹伸朗の「UK77」という個展を覗く。タイトルが示すように1977年、パンク真っ盛りのイギリスに滞在していた彼が製作したコラージュや写真、ドローイングを展示したもの。壁一面に展示されている写真やドローイングなどに引き込まれてしまう。写真(大竹さんによる額つき)、コラージュのシルクスクリーンなどが売っていたが、とても買えない。これらの作品をまとめた本も出ているのだが、これも欲しいんだけど高い(いや、よく考えれば高くないんだけど)。

7月×日 『世界でいちばん不運で幸せな私』の試写。すごいタイトルの作品だね。ヨーロッパでは大ヒットした作品だという。「のるかそるか」という賭けのような遊びがあるけど、この作品はそれを恋愛にのっけてしまったような作品。しかもそのゲームは子供時代から大人になってまで続いていく。ゲームが始まった頃、子供の頃の映像は『アメリ』を感じさせるような浮遊感があるんだけど、物語はヨーロッパ映画的残酷さに満ちている。そのあたりで好き嫌いが分かれるんじゃないかな(僕自身は結構、好きだった)。

7月×日 夜も遅くから『ジェリー』の試写。映画館、しかもここまで広いスクリーンで観るのは久々だなと思う。この作品はガス・ヴァン・サントが『エレファント』の前に撮った作品。『エレファント』で最も印象的だった映像の美しさ、虚しさはこの作品からきているんだなと納得。“ワンシーン、ワンカット”(実際、そうではない部分もあるが)で撮られたストーリーらしいストーリーすらない砂漠をさまようふたりの男の話は、賛否両論になるだろうな。『美しき冒険旅行』とかぶる部分があるんだけど、こっちの方が圧倒的に虚無的。この虚無さが今の時代の一端をどこかで感じさせるんだけど・・・・。

月×日 夕立の中、走って試写へ。モグラのキャラクター“クルテク”が有名なチェコのアニメーション作家ズデネック・ミレルの選りすぐりの作品を集めた『クルテクとズデネック・ミレルの世界』の試写。公開される作品が多いため、この日はその中でも選りすぐりのものを何本か上映したのだが、素晴らしかった。マペット・スタイルのもの、本当に絵本みたいなもの、おしゃれとしかいえないものなど様々なスタイル。その中でも『あかずきんちゃん』(あの有名な話です)は台詞は一切なくビッグバンドのジャズのみで物語を語ってしまうすごさ、『イモムシくんは大スター』はアニメーションらしい作品なんだけど、話が楽しく切ないし、ここでも音が効果的に使われている。『お父さんは12人』はポップでおしゃれな映像と、話の破天荒さがいい。その他の作品も本当に良かった。いい時間を過ごせたな。公開は秋だそうです。
  夜は松永孝義の初めてのソロアルバム発売記念のライブへ。一音出た瞬間から感激。こういう素晴らしいライブはなかなか見られるものではない。至福の時間だった。

7月×日 『17歳の処方箋』の試写。原題が『IGBY GOES DOWN』だから、随分と印象が違うけどね。アメリカでは公開と同時に“現代版「ライ麦畑でつかまえて」”と絶賛された作品。内容は好みなのだが、痛い。こういう反抗は分かる(経験している)だけに痛いのだ。どうでもいいような反抗を繰り返すイグビーがラストにたどり着くところ、その終わり方は70年代初頭の映画の影響を受けているという監督のそういった70年代テイストが出ていて、印象的だった。青春映画ではあるが、ぶっ壊れちゃった現在の家族の皮肉(ブラックユーモア)にも溢れている作品。好き嫌いは分かれるだろうけど、好きな人は好きな作品であることは間違いない。僕は好きです。

7月×日 この夏の話題作のひとつ『リディック』の試写。正直、そんなに期待しないで行ったのだが、それなりに楽しめるじゃないかと感じる。リディックのキャラクターが面白い。ただ、この作品につながる『ピッチブラック』を観ていないのは痛かったかなと。これ観ていれば、もう少しのめりこめたような気もする。あと、これはでかい画面でいい音響で体感すべき作品だと痛感。次もあるであろうこの銀河叙事詩が少し楽しみになった。

7月×日 シャーリーズ・セロンが本年度のアカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞した話題作『モンスター』の試写。実在した女性シリアルキラーの行動と心理をストレートに描いた作品。シャーリーズ・セロンの変わりよう(姿、言葉遣い)と迫真の演技はすごいものがあるし、共演のクリスティーナ・リッチも相変わらず年齢不詳でいいのだが(間違いなくふたりにとっての代表作になるだろう)、期待していたほどの作品でもなかったな。悪くはないが、絶賛されるほどでもない。同時期に発売されるドキュメントのほうが面白そうな気もする。

7月×日 『オーバードライヴ』という日本映画の試写。バンドが解散しそうなロックギタリストがあるきっかけから津軽三味線を修行せざる得なくなり、最終的にはトーナメント(アルティメットと呼んでいる)に出場し、天敵と対決するという話。タイガーマスクの虎の穴のようなスポコンものにギャグを交えたテーストの作品なんだけど、完全なる空回り。ブルースのクロスロード的なエピソードを入れたり、ダブルネック三味線が登場したり、アニメーション交えたりと色々とやってるんだけど笑えないんだよね。唯一、おっと思ったのは木下伸市(現役の津軽三味線弾き)が演奏するシーンで、ここはすごさを感じました。その他にも現役の津軽三味線弾きが登場しています。

7月×日『ニュースの天才』の完成披露試写。アメリカの権威ある政治雑誌「ニュー・リパブリック・マガジン」でおこったある記者による記事捏造事件の顛末を映画化したもの。記事の捏造が暴かれていく部分のみに焦点を絞った演出が効果的でスリリング。雑誌記事がどのような形で作られているのかという部分も本当に興味深かった。個人的には間違いなく今年の5本にはいる作品だと思う。素晴らしいです。

7月×日 『アイ,ロボット』の試写。これも面白いや。映像(1000体ものロボットが整列しているところなんて、圧巻!YMOのジャケット思い出しました)、ストーリー共に十二分に楽しめる作品になっている。ウイル・スミスらしい笑いが空回りしている部分もあるんだけど、CGに特化するわけではなく、あくまでストーリーに重点を置いた作品なので最初から最後(中盤以降はヒートアップします)まで存分に楽しめます。これはでかいスクリーンで見なければいけませんよ。

7月×日 この日が最終なのでどうしても行かねばと思っていた試写会があったのだが、前日に調子のおかしくなったワードの復旧のために足を運ぶことが出来ず。残念。ワードも直らず。困ったもんだ。

【余談】
  この2004年7月に観た作品で最も印象に残っているのは『ジェリー』、『ニュースの天才』と『ステップ・イントゥ・リキッド』。『ジェリー』はとにかく好きだな。『ステップ・イントゥ・リキッド』はサーフィン映画で括ってはいけない良作。『ニュースの天才』は書いてあるとおり。どうしても大作を観る機会が少ないのだが、『アイ,ロボット』は面白かった(続編はあるのだろうか)。大竹伸朗の個展をやっていた画廊はすでに移転。Tシャツ買っとけば良かったかなとこれ読み直して思ったりしています。彼がアイちゃんとやっていたJUKEというバンドのTシャツはABCに売っていました。

 

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