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■電気羊プロフィール
アニメーター、編集者を経て現在はフリーライター兼翻訳者のハシクレをしている。好きな映画は「ブレードランナー」、好きな役者はコリン・ファースと嵐寛寿郎。だんなについて、目下カリフォルニア州サンタクルーズに滞在中。せっかくなんで、コミュニティ・カレッジに通いつつ、映画三昧している。この度3年越しの夢が叶い、コリン・ファース主演作「フィーバー・ピッチ」で字幕翻訳家デビュー! 趣味はスキューバダイビングとビリヤード(どっちも超ヘタ)。日本から連れてきた耳垂れウサギを飼っている。


■過去記事一覧



写真01
『Akeelah and the Bee』
のポスター

写真02
ハリーハムリン(推定)

写真03
エレン・デジェネレス

写真04

ジャッジ・ジュディ

写真05

エルモ

写真05

毛並みが素晴らしい!
オスカー

写真07

Monster in Motion店内の
異様に濃いハリーハウゼン
コーナー

写真08

ハリーハウゼングッズ。
右上の新刊はもちろん
直筆サイン入り!

カリフォルニアはサンタクルーズから、毎月最新ホヤホヤの映画情報をお届けする「もぎたて映画通信」。第23回は、日本製ゲームの映画化作品と、スペリング大会を舞台にした心温まる感動作の、粒より2本をご紹介! +おまけつき。

☆『サイレント・ヒル』Silent Hill

サイレント・ヒルというゴーストタウンに迷いこみ、子どもとはぐれた母親が町を探し歩くうち、不気味な化け物に次々に襲われるというゲームが原作の作品(ゲームでは父親が主人公)。

2月にサンフランシスコでやったワンダーコンで流された本作のデモ映像が緊迫感たっぷりで、とても楽しみにしていました。ゲームも怖いけど、映画版も期待に違わず怖かったです。『Doom』ほどあからさまではないけれど、時々映画の流れを中断するような俯瞰ショットを入れ、ヒントを頼りにゴーストタウンをさまようゲーム感覚をうまく取りいれていました。これまでの映画は、CG映像をできるだけ実写映像に近づけることに主眼が置かれていましたが、最近はデジタルビデオカメラによる映像や、CGっぽいグレイッシュな色味など、ゲーム的、人工的なビジュアルを狙うのがトレンドみたいですね。新作『スーパーマン』も、相当デジタルな質感の映像ですし、『リベリオン』の監督の"Ultra Violet"なんて、わざと生身の役者の皮膚をなめらかにするCG加工を、意味もなく(^_^;)していました。

監督は「クライング・フリーマン」、「ジェヴォーダンの獣」のクリストフ・ガンズ。母親役に『ネバーランド』のラダ・ミッチェル、父親役にショーン・ビーンが扮します。他の注目キャストで、教祖さま役でボーグ・クイーンことアリス・クリーグ(『ベンヤメンタ学院』)、謎の徘徊女としてで「ゲーム」のデボラ・カーラ・アンガーが汚れ役に挑戦しています。

 妻であり母である主人公のローズが、のっけからおよそ家庭的でないスポーティ&セクシーな身なりで登場し、彼女と行動を共にする女警官がプレイボーイのグラビアみたいな格好で、サディスティックにいたぶられるところからして、『エイリアン』同様実は相当反フェミニストな映画です。象徴的なのが、妻と子どもがいなくなり、安らかに眠る夫(もちろん2人がいなくなって寂しいんだけど)と、サイレント・ヒルに向かった妻が、女たちの地獄(教祖も、苦しむ者たちも全員女)に閉じこめられた妻との対比ショット。世界は男たちのもので、夫のいいつけに従わずに子どもを選んだ女たちは、無間地獄をはいずり回るのだ。

 とっても怖いんですが、狙ってかどうか知らないけどセリフが相当Cheesyで、こんな状況でそんなこというか! というセリフに場内大受けしてました。映画自体が怖いほど、笑いのテンションも上がるというホラー映画の法則に則っています(^_^)。ローズの決めゼリフは、「大丈夫よ!」 全然大丈夫ぢゃないー。化け物に追われて気を失ったローズが目覚めると、ジュークボックスから曲が流れていて、それが『ウォーク・ザ・ライン』で使われていたジョニー・キャッシュの曲なのが、絶妙でした。パペット・ナースが「スリラー」みたいな振りつけなのもご愛敬です。

『M:I-3』の予告編が流れた時、女優がトム・クルーズに「何かかくしてるでしょ?」とつめよるところで、観客の一人が「I'm freak(オレは変人だ!」とアテレコして、場内爆笑の渦に巻きこまれたのが、いい雰囲気作りに!?

☆Akeelah and the Bee

この映画の第一印象は、ネガティブでした。スターバックスに入ると、黄色いトランプ大のカードが置いてあり、何だろう、コースターかな、と思って手に取ったら、単語カードを模した、スペリング・コンテストが題材の本作の宣伝でした。チャーミングなドキュメンタリー映画『チャレンジ・キッズ』に便乗したかのような設定と、宣伝のやり口(スターバックスは映画に出資もしている)で、引いてしまったのですが、ロジャー・エバートがとんでもなくベタぼめしていたので、がぜん観たくなり、「M:I-3」を蹴散らして本作を見にいきました。

主人公のアキーラは、ロサンジェルスのインナーシティ(貧しい地区)に住む11才の女の子。スペリングが得意で、校長にすすめられてスペリング大会に出場し、順当に勝ち進んでいく。だがシングルマザーである母親はそれを快く思わず、アキーラに出場を禁止するのだった−−。

母親役にアンジェラ・バセット、コーチ役にローレンス・フィッシュバーンが扮しています。確かにいい作品で、映画の出だしの雰囲気はすごく良かったです。アキーラ役のKeke Palmerが素晴らしく、登場した途端に引きつけられ、アキーラに関心を持たずにはいられなくなります。利発で聡明なのに、それが美点ではなく欠点になってしまう環境にいるため、自分に自信が持てなかったアキーラが、違う価値観の世界(スペリング大会)に触れ、少しずつ自信を見いだしていく過程を、大会でのハラハラドキドキをほどよく織りまぜて描いています。最後のみんなでスペリングもあったかくて好きでした。脚本は、アカデミー主催の脚本コンテストの優勝作らしいですが、アキーラの設定も出来る子が学校でのけものになるという状況も、『チャレンジ・キッズ』からのいただきなのですが、とてもうまく料理してあります。ところがオリジナル部分のコーチの人物造形と話の展開が少々薄っぺらく(おかげでさすがのフィッシュバーンがダイコンに見えた!)、例えばフィッシュバーンが同じく主人公の男の子のコーチ役を演じた『ボビー・フィッシャーを探して』などに比べると、ずいぶん物足りないです。それと、中味に反比例して、大げさな音楽は何とかして欲しいです。

アキーラのふたりのライバルの子役(ひとりはラテン系、もう一人はアジア系)も、それぞれとても良かったですが、とにかくアキーラが素晴らしく(人物造形も、演じるKekeも)、社会や大人の身勝手を押しつけられてもはねっかえす健全さを備え、どんなに見ても、見飽きることがありませんでした。

Akeelah とコーチのLalabeeのネーミングは、Spelling Beeの"ee"にひっかけているのね。

☆プチLAミーハー旅行

 4月の末、ロサンジェルスに行ってきました。お目当ては、先頃『タイタンの戦い』のリメイクが発表された、ダイナメーションのレイ・ハリーハウゼンのサイン会です。"The Art of Harryhausen"という自著のプロモーションで、イギリスからカリフォルニアに里帰りして、何ヶ所かでサイン会を開いたのです。私が行ったのは、ディズニーランドから遠からぬMonsters in Motionというフィギュアショップでした。ハリーハウゼンはもう85才ぐらいなため、ファン層もかなり平均年齢高かったです(^_^;)。御本人は長身がやや曲がり気味で、杖をついてましたが、とてもかくしゃくとしていました。店自体もかなり濃くて、マニア垂涎のグッズが所狭しと並んでいます。なぜか日本語版の「チキチキマシン猛レース」のDVDがあったりなんかして。1階のディスプレイケースは、半分以上をハリーハウゼンのクリーチャーが占めていましたが、デッカードとガフつきスピナーも飾ってありました(^_^)。

 ついでにウォーク・オブ・フェイムでハリーハウゼンとレイ・ブラッドベリの星を撮ろうと思ってハリウッドに立ち寄ると、ちょうどコダック・シアターでエミー賞のデイタイム・アワード(昼間の番組に贈る賞)の授賞式が行われていました。ソープオペラは見ないので、レッドカーペットを歩く人たちもまったく見分けがつきませんが、「セサミ・ストリート」のオスカーとエルモ、ジャッジ・ジュディ、エレン・デジェネレス(『ニモ』のドリーの声をやったコメディアンで、彼女のトークショウは大人気)に、『タイタンの戦い』のペルセウス役、ハリー・ハムリンらしき人物もいました(^_^)。オスカーを持っているおじいさんは、ビッグバードの中味も務めている大ベテラン。エルモは、ちゃんとエルモの声でしゃべってくれました(^_^)。

ぢゃ、また来月(あたり)。
(May 6. 2006)
電気羊

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