コリンと共演した"The Importance of Being Earnest"に続き、リース・ウェザースプーンがイギリス文学に再度挑戦。サッカリーの原作「虚栄の市」は読んでませんが、『モンスーン・ウェディング』のインド人女性監督ミーラー・ナーイルによるこの映画版では、原作の持つ毒気がかなり薄められているようで、口当たりよく鑑賞できます。この方向修正は、たぶん欲望丸出しの、マニピュレイティブなヤツだったであろう主人公ベッキーを、自分の才覚だけを頼りに、己に正直に世の中を渡っていこうとする、現代的な女性にしたところから来ています。でもあの時代(今もだけど)、いくら世渡り上手でも、身分も富もないただの娘っ子にはどうにもならない社会の壁があって、それを体現するような、ベッキーより1枚も2枚も上手の嫌なヤツもたくさん出てくるし、退屈しません。